2020年01月06日

幸先のいい新年。

建築の仕事に移って、何だかんだで二ヶ月過ぎて年も明けた。
自転車屋のころは年末年始も盆もゴールデンウィークもなく働き続けていたが、ゆっくりと年末年始を妻の実家で産まれたばかりの子どもと過ごした。
30を過ぎてからの未経験の仕事への転職だったので、難儀することも多いはずだったが、赤ちゃんのことを考えると必死だったということもあるのか、すんなり新しい仕事に馴染みつつある。

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帰省から長野県に戻っても、長い休みが2日ばかり余裕があって松本に山小屋時代の友人を訪ねた。
お酒の流れで一泊させてもらっていたら、小説家の先生から松本にいるのかい?と連絡をもらえた。
それで一夜明けて、久しぶりに先生と飲むことになったのだが、先生の来る夜まで時間が余った。一度、家に戻るにしても、案外、松本から茅野は遠い。

松本が素晴らしいところと言えば、丸善とジャズバーと古本屋カフェがあること。あとは時間があまれば松本城を眺めていれば良い。他にも良いところはあるのだろうが、僕は結局そこくらいしか行かないし、そういう店が存続していける土壌があるというだけで松本は価値ある街だと思っている。

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先生が来るまでの時間で丸善に行って、二級建築士の設計製図のテキストを買った。
建築士は非常に意地悪な資格なので、建築の専門の学校を出ていないと実務経験を7年以上しないと受験資格さえもらえない。
さすがに7年ってのは意地悪過ぎると思う。一番長い教育機関の小学校でさえ6年なのだから。

なんと馬鹿な話だろう。試験の意味がない。金出して学校に行かない人間は試験で満点取ろうが、いや、受験さえさせてくれない。そんな試験は試験の意味がないじゃないかと思うし、逆に学校さえ出ていれば良いなら卒業試験でやってしまえば良い。学校を出ていても合格しない人もいる。

日本はスタンプラリーが好きな国だ。
大学でもなぜかテストよりも出席日数が大事だ。
スタンプ集めていない人間はダメで、逆にスタンプさえ集めていれば、「君は努力家だからね、OKだよ!」なんて話になる。

努力ってしない方が正しいと僕は思うのだ。
出来るだけ少ない努力で結果を出すための工夫を考えるのが大事だと思うのだ。
本当にスタンプラリー制度はやめた方が良い。

子どもが産まれたから、あまり世間の悪口を言ったりするのは控えようとは思うのだが、変なものは変だと思うのは大事だと思う。

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二級建築士の資格を取るかどうかは別の話として。
図面が読み取れないと仕事にならない。二ヶ月で何となく読めるようにはなったものの、きちんと図面の向こうの意図が読み取れないとプロフェッショナルへの道は遠い。
実際、営業職だと図面が読めなくても間取り図くらいまで書ければOKという人も多いようだが、仕事を面白くするにはプロフェッショナルになった方が良いと僕は考えている。

全部自分でやろうとしてはいけないと言う人もいる。
それはその通りでもある。人生長くない。全てを学ぶには人生は短すぎる。ましてや30過ぎてからの転職だ。
それでも、だからと言って諦める必要もない。

やってみたいことは何歳から始めてみたって良い。手遅れなんてことはない。
たしかに僕は30歳を過ぎた。でも、二十代の人と僕と、どっちが長生きするかなど分からないのだ。
特に年金がなくなるであろう世代だ。65歳を過ぎても働き続ける時代は来るだろう。年金制度がきちんとしていなかったら、定年退職って制度は成立しないのだから。

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まあ、理屈は抜きにして、図面を眺めるってのは結構楽しいことなのだ。
個人的には図面と見積もりを並べて眺めるのが好きだ。
ロフトやスキップフロア、勾配天井、ウッドデッキなんかのオプションの値段と図面を見比べるのは楽しい。
そういう技があるのかって喜びもあるし、いずれ建てる自分の家に採用したらいくらくらいになるだろうとか。

自転車のカスタムなんかの勉強をするのと同じだ。
いや、自転車のカスタムの方がマニアックかもしれない。10万円のホイールと30万円のホイール、材質やベアリングの理屈の上での性能差と、実際に使ってみて体感する性能差、そのカスタムの価値。
自転車はそういう意味では本当にマニアックだ。
固けりゃ良いわけでもないし、しなやか過ぎても良くない。また、人によって好みのポイントも違う。軽くするにしてもどこを軽くするかで随分意味も違う。
机上の空論の構造力学だけでは駄目で人間が気持ち良く感じる構造を突き詰めないといけない。
その点、家は割とシンプルではある。

自転車屋って改めてマニアックで難しい仕事だったんだなと思うことは多い。

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小説家の先生が来るまでのんびりと設計製図の本を読んだら、案外、予想以上に分かりやすくて、新年早々賢くなれた気がした。

先生とUFOの話と東京の話とFXの話を延々と、そして例の如く小説、文学の話はほんの少しだけして。
こちらは賢くはなれないかもしれないが。
先生が教えてくれることは本当に本には載っていないことばかりだし、そういう知識、経験を持っている人は日本に何人いるんだろうというような人で。
本当にありがたい。
東京を離れて5年近く経っても、何だかんだ年に一回くらい会える。

小説のことはあまり教えてくれないけれど。
でも、改めて考えると小説を書く上で大事なことって文章的な技法とかじゃなくて、生き様や考え方、触れるもの、経験することなんだろうと思う。

幸先の良い新年だった。
ま、そんなこんな。
posted by ちょろり at 00:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする