七月十日、深夜一時、片手にノートパソコン、肩から黒のショルダーバッグをさげた男が、ファミリーレストラン『ジョイフル倉敷店』に入っていった。彼以外に一人きりの客なんていない。周りには彼と同年代くらいの若者が気楽そうに何か話している。
彼は店員の案内も聞かず、目深に被った黒のハットに円眼鏡という格好で奥の窓に面していない一席に素早くついた。席につくと同時に、呼び出しのベルを押す。
「これとドリンクバーで」
店員が聞いてくるのも待たず彼は手早く注文を済ませ、珈琲とCCレモンをくみに立った。
ドリンクバーの横の席の若者が二人いぶかしげに彼を見てきた。その視線に彼は気付き、くるりと回れ右をし、若者二人を見返した。若者二人は目を反らし、無理にでも元の話を再開した。
席に戻ると彼はカミュの「異邦人」を取り出し、3ページ目に入ったところで注文のハンバーグが来た。御飯も何も付いていない。フォークを真ん中に付きたて、野蛮にそれを食うた。
食い終わると彼はノートパソコンを開き、カタカタと何かを書き始めた。隣にノートを開き、時々、万年筆で何か書き付けている。
時計の針が進み、最初にいた客たちはあらかた帰ったが、彼は、ノートパソコンを熱心に見つめ、時々煙草を吸った。
朝日が昇り、後から入ってきた客もみんな帰ってしまった後、彼はそそくさと勘定を済ませ、ジョイフルから出て行った。勘定は他のどの客よりも安かった。
と、まあ、長々と三人称で描写したが、生まれて始めての一人ジョイフルを楽しんで来ました。日記を三人称で書くと凄くムカつく文章になります。
とりあえず一人ジョイフルはもの凄く圧縮した時間を楽しめます。どんなに無視しても無視しきれない視線の中、黙々と何かをするのは良いです。
できるだけ、危ないオーラを出すのがコツかもしれません。店員も、料理を出す以外は近くにすら来ません。
四十枚も原稿が進んで、ほっくほくです。早い話が全体の四分の一以上進んだわけですから。やっぱり大事なのは集中力なんだねえ。
おかげで久々に機嫌が良いです。
今日から僕のことを『文豪福田先生』と呼んでくれても良いですよ。
いや、そのくらい久々に充実した執筆だった。
こんなに気持ち良いのは、初めて小説を書き上げた以来かもしれない。まあ、まだ完成してないからかもしれないけど。完成するまでは駄作にはならないから。
いや、みなさんも
Let's alone Joyful!
です。
この調子なら、もしかすると、昼には下書きまでは終わるかもしれない。小説書きの仲間がいたら教えてあげたいです。ま、周りには一人もいないんですけども。ファミレスは良いです。
まあ、そんなこんな。
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