みとぅ〜んさんは中学校の頃のお友達だが気付いた頃にはなかなかの美人になっていた。女の子は美人になる。僕と宝塚くんは小学校から大学まで一緒の自宅の距離は100メートルなんて仲だからか、二人とも相変わらずで、昔と大して変わらずちんちくりんのままだ。
ちんちくりんついでに、僕は一昨日自分で髪を切っていたら軽い悲劇を起こしたばかりの頭なのでちんちくりんぱっぱらぱんてぃだった。宝塚くんは髪はきちんと切っているが、後ろの寝癖が取れていなくてちんちくりんぱっぱぱらぱいぱんだった。
僕が10分毎に休みたがる上に、みとぅ〜んさんはのんびり歩く人なので半日が美観地区で潰れてしまう。ちなみに美観地区は200メートルくらいしかない。世に言うミニ京都ってやつだ。ミニ京都の良いところはミニなところで、見るべきスポットは一日あれば一通り見れる。しかし、僕らは休憩ばかりだから、本当に一通り眺めただけになる。自転車なら一日で倉敷から神戸、200キロ近く走る人間が歩くと200メートルしか進まない。宝塚くんは文句を言わずに一緒に歩く。
蕎麦を食って、珈琲を飲んで、大原美術館の庭園を眺め、トンボ玉を触って、酢昆布を食っていたらみとぅ〜んさんが帰る時間になった。みとぅ〜んさんは広島に住んでいる。あまりに間延びしたような一日で申し訳ない気もしたが、僕は久し振りに秋を歩けた気がして良かった。
夜に自転車のパワーアップの連絡が入り取りに行った。まだ届いてないパーツは後日付けるとのこと。とりあえず今はハンドルに角を生やして、タイヤを細くしといた。あとはカラーチェーンが届いたら完成する。写真は完成したら上げる。ちなみにまだまだあと五万ほどいじりたいところはあるので、この前出した小説が当たると本当に嬉しい。当たると賞金プラス原稿料がもらえる。
小説の賞金は自転車と万年筆、残りはダディーに車を買ってあげようかななんて考えている。ロクでもない息子が留年するせいで父は車を買い変えれないのだ。ママンにはマッサージチェアを考えているが多分そんなにたくさんはもらえない。多分、二人とも僕より先に死ぬので、先に買ってあげようかなと思っている。何せ僕が小説を書けるのはダディとママンのおかげなのだ。
こんなことを書いていると良い人みたいだが、小説が当たるなんて滅多に無いことだから、滅多にやらないことに使うのは当たり前なのだ。もし、普通に就職したら普通に自分のことに使うだろう。
親なんてのは難儀なもので20年間せっせと時間と金をかけて世話をしても運が良くて車とマッサージチェアしかもらえない。
それでも、僕も何だかんだでいずれは親になる予定だ。一発当てて車にマッサージチェアを夢見るガキが生まれて来たら難儀するだろう。かと言ってこうあって欲しいとも今のところ特に思わない。二十歳の誕生日に「お前は昔はオレの金玉の中にいたんだぞ、わはははは」と言ってやろう。どんな反応をするんだか楽しみだ。まあ、言わないけど。
こーへー君が米子に去ってしまうらしいので、少し会いに行ってみるとしようかな。時間ってのは早い。僕も昔は金玉だったのか。
そんなこんな。
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