2017年02月22日

アフリカの人間味。

20170221

じてぼんもよろしく。
http://jitenshatohon.seesaa.net/

写真は宿のプール。
ボツワナはこういう立派なリゾート宿しかないので自転車旅行だとつらいのだが、今日はまさかの部屋泊まりになった。

宿のバーでのんびり飲んでいた。
キャンプでさえ8ドルと高いリゾートホテルで、当然、バーも高いのだが日没までテントの中は暑いのだ。ビール一本で先進国レベルの快適な空間、いや、先進国でもプールサイドのバーなどなかなかないだろう、さらにWi-Fiもある、そんなわけで、宿のバーは使う。何も飲まずとものんびり座っているくらいなら許してもらえるが、僕自身、接客などをしていて、そういう人はお客様であれど、やはり常識のない貧乏性の悲しい人間だなと思うので最低限の礼儀のお金は使う。

雨が降ってくる。雨季は困る。
「あなた、今夜は部屋に泊まりなさい」
バーのおばちゃんが言う。
「え、良いよ。雨でもなんでもテント暮らしだったからさ、へっちゃらだよ、ハクナマタータさ!」
ハクナマタータはスワヒリ語でノープロブレムだが、ボツワナなので当然違うのだが。
「ハクナマタータじゃないわよ、今夜は一晩中降り続けるし、多分強くなるのよ」
「いやー、お金もないし、大丈夫だよ、ありがとうね」
「キャンプの料金で良いから、ほら、付いてきなさい」

そんなわけで一泊70ドルする高級な部屋を使わせてもらうことになった。

ーーー

アフリカ人の親切っていうのは本当に恐ろしいほど底抜けだ。
他に泊まら客もいないので使わせてくれたというのもあろうが、それにしたってやはり驚かざるを得ない。
ボツワナは本当に宿が高くて、全て野宿だと思っていたので、本当に助かる。ただ、部屋は使って良いにせよ、ベッドは使って良いのだろうか。

不思議な人々だ。
タンザニアでも急に朝食をごちそうしてもらったり、最貧国マラウィでもビールをごちそうしてもらったり、昼ごはんを作ってくれたり、ザンビアでも野宿させてもらったし、そういえばやはり朝食やコーヒーももらえた。ボツワナではチェックポイントでコーヒーを頂き、ナタではいきなりカウチサーフィン、そして今夜はただで宿を。

ーーー

文明と共に失ってしまったことがたくさんあると僕は思う。
アフリカの土地柄というのもあろうが、都市になれば薄らぐ。人間味みたいなものがアフリカには溢れている。

言い方は雑だが、雨が降って部屋も空いているのだから、「あんた今夜は部屋で眠ると良いよ」なんてのは人間の親切心としては、冷静に考えれば別段変なことではない。
それでも、日本で僕はそれはやれない。
自転車屋で会社にバレないよう時々こっそり若い子の修理なんかはタダでしてあげたりしていたが、やはりサラリーマンをしていて大手を振ってオフィシャルにそれは出来ない。

でも、本来当たり前のことなのだ。
可愛そうだと思い、自分に損がなく出来る範囲のことはしてあげる。
何も変なことではない。

ーーー

厭世的な考えなどではなく、文明の進歩とともに明確に人間は何かを失ってしまっていると僕は思う。
別にロハスな暮らし、シンプルライフやらBライフだとかそんなことは興味はない。
コンクリートジャングル、エアコン万歳だ。
帰国してお金出来たら、ipad PRO買ってやろ、とか考えたりしてる。

でも、あまりに何かを失いすぎるのなら、ipadは買わなくたって良いだろう。

例えば、時々、自転車の記事を書く仕事なんかもするのだが。
書けないことがたくさんある。
フルカーボンのホイールは、まず普通の人には必要ないし、そんなに効果のあるものではないだとか。
もちろん、効果はある。ただ、それはレースで勝つための効果だ。
ある程度のトレーニングを積んだ人間同士が戦い、最後に差を付けるのが機材差であり、実力差を埋めるほどの性能はない。
普通に趣味として楽しむならせいぜいアルミの10万円くらいのホイール、別に5万円くらいのものだって何ら問題はない。

でも、そういうのはオフィシャルな場では書けない。
自転車屋で働いている時はいくらかは言う。
「ええ、値段は高いですけど、そこまで物理的には速くはなりませんよ。ただ、心の加速はすごいですけどね。まあ、ロマンアイテムですよ。買ってもらえたら僕としてはすごく嬉しいですよね」
などとストレートに話すこともあるが、全てのお客さんではない。
やはり買ってもらえたらありがたいのだ。

だから、良心が痛まないように嘘じゃない本当でもない言い回しを覚えていく。
実は、文を書くだけでも専業にすればそれなりの金にはなるのだが、書きすぎると明らかに大事な何かを失うように感じるので、あまり書かない。
そう言いながら、多分、帰国すればそっちの仕事もやっていく。

そうやって僕は大事な何かを失っていく。

ーーー

やはり天秤みたいなものはあると思う。
僕は貧乏旅行っていうのがハッキリ言って嫌いだ。自分もいつも貧乏旅行のくせに嫌いなのだ。
出来る限り旅人はお金か何かをその土地に落としていかないといけないと思っている。
思い出なんかでも良い。そういえばチャリに乗った日本人がいきなり道路に現れて一緒にキャンプサイト作ったね、とか。
何でも良い。少なかろうが何でも良いので、可能な限りのものを旅人は落としていかねばならない。
あくまで自論だが。

イスラム教が旅人に親切にするのは、商人の宗教だからで、商人の基本は旅人だ。その土地で手に入らない物を運び売る。
自分たちが旅人だから旅人に優しいというのもあるが、それ以上に旅人は何かをもたらしてくれるということに根差しているんだろうと思う。

本当の貧乏旅行とはとことん値切り続けて、大事なものを失ってしまっている旅行だ。
やはり、旅をするにはある程度のお金は必要だし、タダであれしたこれした、ってのはよろしくない。
ケチれば何かを失う。

そう言いつつ、ただで部屋に泊まらせてもらうのだが。

ーーー

アフリカの人々には圧倒される。
ギブミーマネーもそうなのだが、とにかく素直なのだ。
変なプライドとかなく、素直に思ったように動く。
道行く人々はみんな必ず手を上げて挨拶をする。そりゃ、人にあったら挨拶するのは当たり前だ。

ーーー

「アフリカの人ってのは本当によく喋るね、喋るのが好きだよね」
「全くなぁ、あいつらはよく分からんな」
先日、お世話になったキャンプサイトのルーペルトとコスタとそんなことも話した。
夕方に近所の知り合いが訪れて、延々と喋って帰っていった。何しに来たのか謎だったが、とにかくやたらと喋っていて、ルーペルトもやれやれと言う顔をしていた。

とにかく集合する。
だらだら話す。
話さなくても誰かと一緒にいようとする。
人間を大事にしている。
家の中にいない。外にいる。日陰と腰掛けるものを大事にする。そういうのは、物価が急激に上がったボツワナでも同じだ。

日本は真逆だ。
人と目を合わせない。
無言で誰かといるというのを凄く嫌がる。
一人で部屋にいたい。
外には用事がなければ出たくない。
直接誰かに会うより、インターネット越しに会話したい。

何かを失っている。
あるいは何かを手に入れているのか。
とにかく違う。

帰国後に書きたいものがぼんやり見えてきている。

そんなこんな。
posted by ちょろり at 01:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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