2018年05月25日

助からないアリ。

どうも四面楚歌している。
多分、仕事も上手く行かないだろう。
家のことも上手く行かないだろう。

去年、婚約破棄をした。
事の発端はその辺りから始まる。
アフリカ帰りの僕は全てが明るかった。実に様々なことが明るかった。
ただ、それは日本では思慮が足りないと言うものでもあったらしい。

正しいか間違っているかは別として、男女が好き同士になれば、結婚をして生きていけば良い。
そこに経済的な問題などはさほどない。
民族や部族の問題などはあるにしたって、経済的にどうこう、少なくとも日本で言う貧乏はアフリカでは貧乏どころかお金持ちの部類に入るってのもあるにしたって、貧乏は悲しむべきことでもない。二人の愛があれば良い。
通りすがりの旅人のわたしにはそう思えた。

旅人をしていると、その日の寝る場所、食べるものだけで頭の中がいっぱいで、あまり細かいことが気にならない。
助けてもらうのが当たり前とは思わないにせよ、助けてもらわないことには旅は進まない。
宿一つ、水一本買うにしたって、その土地の人が、コイツは気に入らないから何もやらないと思えばオシマイである。
お金を払ったって水を売っていない場所は売っていない。でも、なぜかコーラは売っている。コーラは美味しい。とは言ってもコーラなどいらない、水をくれ、って時はある。そうは言っても売っていない場所では売っていない。

飛行機やエンジンのついた乗り物の場合、そういうことはあまりない。
国丸ごと一つ水を売っていないって国は今は基本的にはない。
どの国にも国である限り、国を運営する人々、支配者階級がいて、それと交渉するヨーロッパ人たちがいくらかは住んでいる。
これも考えるとすごいことだ。世界には国じゃない土地はほとんどないのだから。

今日、公園でタバコを吸いながらアリを眺めていたのだが。
そう、その公園にはやたらとアリがたくさんいる。
幼い頃にはアリって、たくさんいるほど楽しいものだったが、大人になると、アリに噛まれると嫌だな、などと思う。
アフリカで野宿しようが何だろうが日本のアリに嫌だなと感じるのは感じる。
それで、近付くアリは足で払う。
そうなると、潰れてしまうアリが出てくる。

さすがにアリに可哀想と思うほどの優しさは今は持っていないが、アリというのは死ぬ時には突然死ぬという話を思い出す。
機械の燃料が切れるように突然死ぬそうだ。
痛いとかってのはないらしい。
虫には痛覚がないとは言うが、死ぬ1秒前まで動き続けて突然死ぬ、なんとも不思議な生き物だなとは思う。
それにしたって、苦しくないかってのは分からない。

公園の地面を見ると実にたくさんのアリが歩いている。
計画があるんだか、ないんだか、しんどいんだかどうだか、そういうのは分からない。アリと話せると面白い気もするが、もしかすると、結構、いつでも苦しみながら生きているのかもしれないから、そうだとすると、あまり話したくない。悲しい気持ちになってしまうだろう。
ーーなんでそんなに一生懸命歩いているんですか?
ーーそんなこと聞かれましても。
ーーどこか今日の目的地はあるんですか?
ーーそんなこと聞かれましても。
ーー暑いのに疲れないんですか?
ーーそんなこと聞かれましても。

足で払おうとして潰れてしまったアリは即死せず、動かせる部分だけで歩こうとする。
痛覚がないってのが本当だか知らないけれど、動く限りは動かせる場所は動かすのかもしれない。

それにしても、たくさんアリがいると言っても、地面を埋め尽くすほどではないから、仲間はなかなか行き当たらない。
アリは怪我をした仲間を助ける生き物でもある、そんなことを何かで読んだことがある。
仲間が助けてやれば良いのにと眺めるが、なかなか行き当たらない。
たまに行き当たっても石に当たったように相手にしない。
タバコが手に当たって熱くなるほど短くなったところで、やっと相手にするアリが現れた。
これで助かるのかと思いきや、別のアリが来てぶつかると、びっくりしてしまったんだか別の場所へ行ってしまった。
新しく来たアリも死にかけたアリに構うことなくどこか歩いて行ってしまった。

婚約破棄をした理由は結局のところ、経済的な理由だった。
女性から言われたのではない。
私の方が、連れて行って人生の面倒を見られるだけの自信が起きなかった。
結婚しようと行った時にはそういうことは考えなかった。好きな人といればよかろうと。
しかし、半年日本で暮らすと、もう、どうにもならなくなった。
正しく言えば経済的な現実というよりは、経済的なことに対しての自分の感じ方だったのかもしれない。

金があれば良かったのにと思うことは少なからずある。決して多くはないが。
ただ、金があれば解決したかと言えばそうでもない気はする。
金があっても解決しないし、金がなかったからといって破綻したわけでもない。

公園のアリみたいなもので、広い土地の中を歩いていて、行き当たらないから助けられないというわけでもなく、行き当たったって助からないこともある。

単純に言えば助からないときには助からないのだろう。
全てにおいてそうなんだろう。

ーーどうすりゃ良いって言うんだ?
どうにもしようはないだろうけれど、一生懸命やっておいた方が後からガッカリはしにくいだろうね。

そんなこんな。


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posted by ちょろり at 21:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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